千葉県の熊谷俊人知事は12日の記者会見で、どちらかの親と子供が別姓となる選択的夫婦別姓制度導入の是非について問われ、「私は賛成側だ」と断言した。
「当然、多くの人は同姓を選ぶこともあろうと思うが、仕事上、別姓を求めたり、アイデンティティー上の話があると思う。それに十分、尊重された制度設計にしてほしい」と述べた。
同制度を導入せず、同姓のまま旧姓の通称使用をあらゆる場面でできるようにすることには否定的な見解を示した。
「通称の拡大はわが国において同一人物が2つ、3つの名義を持ち得る可能性があるので、セキュリティー上もあまり好ましいとは思っていない」と述べた。
そのうえで、「国民的な議論のうえで最終的には国会で決めることだ」と結んだ。
県などによると、熊谷知事が令和3年に就任後、会見や県議会といった公の場で社会や家族のあり方に関わるこうした基本問題への態度を明確に示したのは今回が初めてだとみられる。
千葉県議会では6月定例会に共産党県議団、リベラル民主、市民ネットワークの3会派が同制度に賛成する立場から、同制度導入の国会審議を求める意見書を提出したが、議会最終日(7月9日)に賛成少数で否決されている。