山梨県富士吉田市の堀内茂市長は3日の定例記者会見で、山梨県が推進する富士山登山鉄道構想に反対する複数の団体が一堂に会するイベントが今月末に開催されると説明した。
富士山登山鉄道をめぐっては、富士吉田市議会が反対を決議したほか、富士北麓地域を中心に山小屋関係者らがつくる「富士山登山鉄道に反対する会」や、甲府盆地内で「富士登山鉄道建設反対県民会議」などが発足し、県内での反対運動が広がりをみせている。
自身も反対の立場を明確にしている堀内氏は「登山鉄道反対の署名はすでに6万6千人に及んでいる。運動の成果を示すため」として、今月末に富士吉田市内で、反対団体が集まるイベントを開催することを公表した。同鉄道に反対する渡辺豊博・元都留文科大教授が講演するほか、団体代表らのシンポジウムなどを予定している。
富士山登山鉄道構想は富士山の麓と5合目を結ぶ有料道路の富士スバルライン上に軌道を敷き、次世代型路面電車(LRT)を運行させるもの。景観を重視するため、架線を使わない地下からの給電方式を検討している。一般車両の通行を禁止して、来訪者コントロールを図るほか、雪に強い特性を生かし、年間を通じて運行させ、初夏から秋にかけて集中する観光客の平準化を図る。
しかし、富士山では大規模雪崩、土砂崩れが発生していることや、鉄道敷設が自然環境破壊につながるとして反対の意見も多い。