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旧宮家出身・竹田恒泰氏、古墳を再現した墓の販売を開始 葬祭業界も「ニーズある」と注目

産経ニュース 2024年8月28日 15時48分

明治天皇の玄孫で作家の竹田恒泰氏が古墳を再現して墓として提供する会社「前方後円墳」を設立し、28日に東京・有明の東京ビッグサイトで始まった葬祭関連業界の展示会「エンディング産業展」で区画の予約販売を始めた。社長の竹田氏は「日本文化への理解を深めてもらうため、墓の一つのスタイルとして提案した」と話した。

1基に5870人以上の遺骨

発売された古墳は千葉県野田市と高松市の民間霊園内に築造中で、いずれも纏向(まきむく)型前方後円墳。墳丘の長さは約18メートルで、周りに濠がある。今年末から来年1月にかけての完成を目指している。

古墳を現代人の墓にするといっても、天皇陵のように1人で葬られるわけではない。野田市の古墳の場合、1人用510区画、夫婦など2人用1680区画と、2000人以上の遺骨をまとめて埋葬する合祀墓が配置され、1基に計5870人以上が眠ることになる。

使用料は初期費用込みで1人用が63万6500円から、2人用が81万9500円からで、合祀墓が18万3000円。古墳時代の古墳と同様、入り口に鳥居があるほか、埴輪や副葬品の鏡、勾玉、剣が納められる。今後は愛媛、広島、福岡でも販売する予定だ。

日本式の樹木葬アピール

竹田氏の父方は旧皇族の竹田宮家のため、墓は豊島岡墓地(東京都文京区)にある上円下方墳。父の恒和氏(前日本オリンピック委員会会長)は三男で、この墓に入れないため、新たに墓を検討していたところ、古墳を造る案が浮上。一般への販売も思いついたという。

墓の情報サイト「いいお墓」が昨年行った調査によると、サイトを通じて新たに墓を購入した人の墓の形は、墓域を樹木や草花で飾る「樹木葬」が48.7%、墓石を設ける「一般墓」が21.8%、棚やロッカー式の「納骨堂」が19.9%で、樹木葬が半数近くを占めた。

竹田氏は「樹木葬の主流は西洋式なので、日本式の樹木葬として古墳をアピールしたい」という。

「不謹慎?いえいえ文化の継承です」

古墳といえば、天皇や豪族など位の高い人が眠る墓。「不謹慎」や「悪趣味」といった批判も予想される。

竹田氏は「いえいえ不謹慎ではありません。大和時代(古墳時代)には10万基以上の古墳が造られたので、天皇だけのものではない。皇室祭祀のまねごとをするわけではなく、安心して入ってほしい。古墳文化を継承したい」と話す。

葬祭関連業界はどう見ているのか。エンディング産業展の主催者、東京博善の木場雅仁業務本部長は「変化が少ない業界の中で今までにない取り組みであり、注目している。日本文化に興味がある人にはニーズがあるだろう」と期待している。(渡辺浩)

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