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淡路人形座で新解釈「ももたろう」 親子で楽しむ夏休み 兵庫・南あわじ市

産経ニュース 2024年7月19日 6時0分

500年以上の歴史を誇る伝統芸能・淡路人形浄瑠璃を継承する「淡路人形座」(兵庫県南あわじ市福良甲)による創作人形芝居「ももたろう」の公演が今月26日から始まる。昨年夏の初公演で、2回目となる今回は随所に改良を加えた。初日は入場無料。「夏休み親子劇場」と銘打ち、8月27日まで休館日を除く毎日上演する。

淡路人形座は「観客に若い親子連れが少ない」という課題を解決するため、誰もが知る昔話「桃太郎」を素材にして新解釈を加えた「ももたろう」を昨年、完成させた。物語の基本は同じだが、桃太郎一行が鬼を退治して終わり-という「勧善懲悪もの」とは少し違う結末に。人形座によると、「命を大切にし、異なる価値観をお互いに尊重し合い、共に生きようとする『和(わ)するこころ』」を根底として、ストーリーに新解釈を加えた。

今回はキジ、犬、サルといった劇中に登場する人形の「頭(かしら)」を新たにつくるなど、さまざまな部分でレベルアップした。上演は約45分間。今年は淡路人形座発足60周年という節目を迎えており、記念公演の一環としての側面もあるという。

今月17日には関係者らを招いての事前見学会が行われ、園児らを含む約90人が参加した。公演では客席を川に見立て、流れてくる桃を観客同士の手渡しで舞台に運んでもらうといった「劇場参加型」の仕掛けも。市内のこども園児、南遥稀さん(4)は「桃太郎の人形の顔が格好良かったし、話も面白かった」と話した。市内の小6、興津愛華さん(12)は「客席と舞台が一緒になって踊る場面があったのが面白かった」と振り返った。

「昨年より子供たちの歓声が大きかった」と振り返るのは、淡路人形座の人形遣い・吉田史興さん(53)。手応えを感じつつ、「子供さんや若い人たちが、淡路人形浄瑠璃の魅力を知るきっかけになってほしい」と「ももたろう」に期待を寄せた。上演時間など、詳細な問い合わせは淡路人形座(0799・52・0260)へ。

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