住民手作りのユーモラスなかかしが並ぶ「案山子（かかし）まつり」が、奈良県御杖村の土屋原地区で開かれている。実りの季節を迎えた黄金色の田んぼを背景に、今年の話題をモチーフにした26体がずらりと並び、訪れた人の目を楽しませている。23日午後3時まで。
地域おこしの一環として地元の土屋原公民館が平成19年から毎年この時期に開催。世の中の盛り上がりを反映してパリ五輪に関する作品が多く、躍動感あふれる一瞬を切り取った演技で世界を魅了したブレイキンの半井重幸選手をはじめ、金メダリストの堀米雄斗選手や北口榛花選手らの雄姿も。このほか、今夏の酷暑を表現したリアルなかかしも並ぶ。
同公民館主事の中嶋安司さん（75）が家族総出で作り上げたのは、一万円札の新たな顔・渋沢栄一。ホログラムなど細部にもこだわった力作で、訪れた人たちが渋沢の「顔はめ」を楽しめるよう仕立てた。中嶋さんは「村人たちが手間暇かけた作品。多くの人に見に来てもらえればやりがいにもなるので、ぜひ訪れてほしい」と呼びかけている。