全国トップクラスのサツマイモの産地・茨城県行方(なめがた)市に27日、〝さつまいも課〟が誕生した。ただし、行政の一組織ではなく、実態は市とJA、生産者らによる合同のプロジェクトチームだ。今後、同市のサツマイモに関する問い合わせなどを一手に引き受け、産地としての認知度向上に努めていく。
茨城県は、令和4年のかんしょ(サツマイモ)の産出額が361億円と全国1位(農林水産省調べ)。行方市はその中で、鉾田市(163億8千万円)に次ぐ2位の生産額(92億円)を誇る産地だ。
市では2年前から、「サツマイモといえば行方市」というキャッチフレーズの浸透に取り組んできたが、興味を持つ企業や消費者らからは「サツマイモに関する相談をどこへ持っていけばよいのか分かりづらい」といった声が多かった。
このため、相談窓口を一本化し、親切で迅速な対応を目指し、関係機関が結束するチーム組織として、さつまいも課の発足が決まった。事務局は市ブランド戦略課に置かれ、JAなめがたしおさいや生産者らを加えた約50人が主要メンバーとなる。
今後の取り組みとしては、企業とのコラボレーション企画として、キリンビバレッジとの「サツマイモに合う飲み物の開発」といったプロジェクト数件が進行中。来年1月には市内で、専門家を招いての「焼き芋サミット」の開催なども計画している。
行方市の鈴木周也市長は「市役所に実在する〝課〟ではないが、インパクトのある名称で活動していく。チームの取り組みをまとめていくことで、皆さんに(産地として)認知していただきたい」と期待を語った。さつまいも課への問い合わせは専用サイト(https://satsumaimoka.com)まで。