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「シガ♡ラブ」宝物になる記事を 滋賀の魅力、サイトで発信 大津の女性フリーライター

産経ニュース 2025年1月16日 11時58分

「滋賀って何があるの?」。県外で滋賀県人はよく尋ねられる。滋賀県人が考えているほど県外の人は滋賀のことを知らない。自然はもちろんのことヒト・モノなど滋賀は魅力にあふれている。なのに、その滋賀の魅力を発信するメディアがあまりないと思い、令和3年6月、ウェブサイト「シガ♡ラブ」を立ち上げたフリーライターの杉江望未(のぞみ)さん(34)=大津市。「滋賀にはほっと一息つけるところや、すてきなモノがあり、安心感もある。まずは、滋賀の魅力を滋賀の人や県外の人に伝えていきたい」と話す。ただ、杉江さん、話を聞き進めるに従って、滋賀だけで終わる気がしなくなってきた。

離れて気付いた

子供のころから滋賀の魅力に気付いていたわけではない。大津市の伊香立地区で生まれ育ち、地元の小中学校を卒業。高校は地元を離れたい気持ちが強く、バレーボールをするため近江高校(滋賀県彦根市)を選んだ。

「昔は電車もない、バスもない、車がないと生活できないなど、ネガティブな部分ばかりに目が向いていた。田舎生まれ、田舎育ちだったので、とにかく外に出たかった。外に出ていろんな世界を見たかった」

高校卒業後は関西学院大学に進学。兵庫県三田市内で1人暮らしをした。途中1年間、休学してカナダに留学。学生時代は米国(ニューヨーク、アリゾナ、アラバマ、ロサンゼルス、ワシントンなど)や、シンガポール、台湾、韓国、カンボジア、メキシコ、ブラジル、ペルーにも訪れた。

留学などを通じて、カナダをはじめ世界中に友人ができた。特にメキシコ人とは仲がよく、今までに2回メキシコに行った。メキシコの友人が日本にやってくるときは、必ず時間をつくって会う。

「外の世界に出て、いろいろ見て、友人もできた。だからこそ、伊香立のよさ、大津、滋賀の温かさに気付けたと思う」

イベント企画も

ウェブサイト「シガ♡ラブ」では、「グルメ」「おでかけ情報」「特産品」「お買い物情報」「こども」「ひと」と幅広いジャンルを扱っている。

「取材された人や店にとっても、私自身にとっても宝物になる記事を書くことを常に心掛けている。取材を受ける人の思いを正確に伝えることで、記事が財産となって残り続けてほしいと思っている」

熱い。記者として見習うべきところを感じる。

令和2年、新型コロナウイルスの流行などを機に滋賀に戻ってからは、地元の「伊香立まちづくり協議会」にも参加し、地域のイベント企画に加わっている。

4年にスタートした秋開催のイベント「いかだちマルシェ」もその一つだ。昨年11月に開催された3回目のマルシェには屋台やキッチンカー、雑貨、アクセサリーの店など約100ブースが出店。約1万人の来場者でにぎわった。

それだけではない。4年8月には幼馴染と「みんなで地域の子どもたちを育てよう!」をスローガンとしたNPO法人「LECJapan」も立ち上げた。活動の一環として、地元の伊香立中学校で「生き方講座」を開き、生徒に進路や仕事、母になることなどを挫折話や失敗談を交えて話した。

本業のライターとしては医療に関わる記事やインタビュー記事の執筆、パンフレット作製などに加え、ライターの育成もしている。さらに今、メキシコの友人から、「一緒に仕事をしないか」とオファーを受けている。

子育て中でもある。ただ、遠くない未来に再び、〝外の世界〟に羽ばたきそうな予感がする。(野瀬吉信)

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