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少雨で「兼用傘」が人気、普段は日傘でゲリラ豪雨も防ぐ 入梅遅れで対策商戦に異変

産経ニュース 2024年7月5日 15時18分

例年、この時期にピークを迎える梅雨対策商戦に今年は異変が起きている。梅雨入りが例年より遅く、梅雨入り後も雨の日が少ないため、レイングッズや長雨の時期を快適に過ごすためのアイテムの動きが例年より鈍い。代わって人気を呼んでいるのが、空梅雨でも普段は日傘として使用でき、突然の雨に対応できる「晴雨兼用傘」だという。

売上好調、男性客目立つ

ハンズ新宿店(東京都渋谷区)で、2階入り口付近にある傘コーナーの最も目立つ位置に置かれているのが晴雨兼用傘だ。軽くてコンパクト、壊れにくく、増加するゲリラ豪雨にも対応できるコーティングが施されたものが人気。ハンズ全体の晴雨兼用傘を含む日傘の売り上げは5月が前年同月比5割増、6月も8割増となっている。

目立っているのが、晴雨兼用傘を購入する男性客の増加。同店ウェザー担当の井上昌紀さんによると昨年より男性客の購入が1、2割増えているといい、「若い人が日焼けを気にするだけでなく、中高年が直射日光の暑さを避けるために買っていく」と話す。週末に夫婦で訪れ、妻に薦められて夫が購入するケースもあるそうだ。

通販サイト「ヤフーショッピング」を展開するLINEヤフーは、「雨を防ぐ、除湿するといった機能に加え、デザイン性の高い商品が増え、人気が高まっている」と話す。中でも、うっとうしい雨の季節も楽しい気分になれる「おしゃれなレインコートが売れている」という。

梅雨入り遅れで売上鈍く

ただ、梅雨の遅れは対策商品の売れ行きにも影響しており、ヤフーショッピングでは、昨年は九州や中国、四国地方が梅雨入りした5月下旬から大きく伸びたが、今年は近畿、東海、関東甲信地方が梅雨入りした6月下旬からようやく動き出した。ハンズも5月のレインウエアやシューズの売り上げは前年同月比1割減、6月になってようやく2割増に転じた。

日本気象協会が今月4日発表した今年2回目の梅雨明け予想によると、20日ごろから順次梅雨明けし、九州南部から東北南部にかけては「平年並み」か「平年より遅い」、東北北部は「平年より早い」予想。気温は全国的に高い傾向という。

「梅雨対策商品は、雨が強く降ると一気に動き出す」(ハンズ広報部)というが、梅雨の期間も例年より短くなる見通しで、今後の売れ行きは文字通り「お天気次第」といえそうだ。

(小島優)

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