帝塚山大(奈良市)と大阪電気通信大(大阪府寝屋川市)の学生らが、当麻寺護念院(奈良県葛城市)が所蔵する中将姫(ちゅうじょうひめ)像の「お身代わり像」を3Dプリンターで製作し、護念院に贈った。
中将姫は奈良時代に貴族の娘に生まれ、当麻寺に入って蓮糸で当麻曼荼羅(まんだら)を織り上げたという伝説の女性。同寺で毎年4月に行われる「練供養(ねりくよう)」は中将姫が極楽浄土に迎えられる様子を表す全国的に有名な行事で、今年に国重要無形民俗文化財に指定された。
帝塚山大は当麻寺の歴史・文化遺産を研究するプロジェクトの一環として、学術連携協定を結ぶ大阪電気通信大の協力を得てお身代わり像を製作。高さ24・5センチで、3Dスキャナーを使って撮影・計測した上で3Dプリンターで造形し、彩色を施して仕上げた。
お身代わり像は、練供養の国重要無形民俗文化財指定を記念し、葛城市歴史博物館で12月8日まで開催中の特別展「當麻寺練供養-会式(えしき)を彩るもの-」で展示されている。その後は寺外での展示や練供養の稽古などで活用されるという。