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「遺贈寄付」には信託も 相続人が納得できるよう気をつけて  100歳時代の歩き方 イマサラQ&A

産経ニュース 2025年1月19日 9時1分

Q 遺贈寄付の方法のうち、先週は遺贈を教えてもらいました。ほかの2つ、相続財産の寄付と信託を教えてください

A 相続財産の寄付は故人から相続した財産を寄付することです。遺言の付言事項(法的効力を持たない記載事項で、遺される人への思いやメッセージが書かれる場合が多い)に「〇〇の団体に寄付してください」などと書かれていて、相続人がその通りに実行する場合や、相続人が自分の意思で相続財産から寄付する場合が多いです

Q いったん相続人に財産の所有権が移ってから寄付されるのですね

A そうですね。遺贈は故人から直接、団体などに財産が渡ります

Q 信託による遺贈寄付とはどのようなものですか

A 信託銀行などと契約し、亡くなった後に財産を団体などに寄付してもらうことです。遺贈が遺言による贈与なら、信託は契約による贈与です

Q どのような形で進みますか

A 信託銀行で遺贈寄付をする場合の一例を挙げてみましょう。委託する人が信託銀行と契約し、財産を信託銀行に移します。このとき財産の所有権は信託銀行に移ります。信託銀行は財産を管理・運用し、委託者が亡くなったときに契約に基づいて、受託者である団体などに財産を寄付します

Q 財産はいったん信託銀行の所有になるのですね

A 委託者が財産を使ってしまったりできませんので、ほぼ確実に当初考えた寄付が実現できます。半面、生前に手持ちの財産が減ってしまうのはデメリットといえましょう

Q 信託でも、子供などが不満を持ったら、遺留分を請求できるのですか

A 遺贈のときと同様、配偶者か子供、直系尊属は遺留分を請求できます。また契約なので、契約自体に疑義があれば訴訟になる可能性もあります。いずれにせよ混乱を避けるためには、相続人が納得できるような契約内容や寄付額を設定することが重要です

(回答者 司法書士 庄田和樹)

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