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太陽の塔や仁徳天皇陵古墳…大阪の息遣い伝える絵本を子供たちに 子育て支援団体が制作

産経ニュース 2024年10月21日 12時6分

大阪市内の子育て支援団体が、大阪を舞台にした絵本を制作している。絵本には大阪府内のさまざまな名所が登場するが、単なるガイドブックではなく、大阪の街のローカルな空気感を伝えることにこだわった。「親子で絵本を楽しみながら、登場する場所を実際に訪れてほしい」。子供たちが地元を好きになり、親子の絆も強まるようにとの願いを込めた絵本は来年2月に販売予定だ。

企画しているのは、母親らでつくる子育て支援団体「codomotoままちっち」(大阪市阿倍野区)。平成17年に発足し、現在は同区内で乳幼児向けの室内遊び場3カ所を展開するほか、地域の子育て情報を掲載したフリーペーパーを発行している。絵本の読み聞かせイベントなども手掛けてきた。

絵本を作るきっかけは、代表理事の林静香さん(50)が約10年前に米国に住む友人を訪れた際、州や都市を題材にした絵本があると知ったこと。「いつか日本で大阪をテーマにした絵本を作りたい」と考えていたという。

2年ほど前からデザイナーや印刷会社などの協力を得て絵本作りを開始。子育て中の親ら約100人以上を対象にしたアンケートも行い、絵本に載せたい名所や名物を募った。メンバーのほとんどが子育て中で、オンラインで会議を重ねるなどして子供に伝えたい内容を精査してきた。

絵本のタイトルは「まち絵本 とことこおおさか」。大阪市内だけでなく、1970年大阪万博のシンボルタワー「太陽の塔」(大阪府吹田市)や仁徳天皇陵古墳(堺市)など、大阪府内の名所も盛り込んだ。

また、イラストに描かれるテレビ画面には吉本新喜劇の芸人が映り込むなど、細部まで大阪らしさにこだわったという。

10月末まで、絵本制作費や希望者に送付するための輸送費に充てるためのクラウドファンディングをサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で実施中。来年2月中旬から、団体の公式ホームページなどで販売するほか、5カ所の子育て支援団体に寄贈する予定だ。

林さんは「メンバーが子供と行った場所や行きたい場所を登場させ、大阪の子供たちに親しんでもらえる内容に仕上がった。将来的にはシリーズ化し、他の都道府県の絵本も作れたら」と話している。(鳥越瑞絵)

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