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橿原神宮の文華殿で上棟祭 織田家ゆかりの重要文化財

産経ニュース 2024年7月17日 19時22分

老朽化に伴って保存修理が進む橿原神宮(奈良県橿原市久米町)の国重要文化財「文華殿」で17日、上棟祭が行われた。令和8年3月の完成に向けて屋根瓦のふき替え作業や内装などを行う予定で、工事の無事を祈った。

文華殿は、織田信長の弟で茶人として知られる長益(有楽斎(うらくさい))の五男、尚長を藩祖とする柳本藩(同県天理市一帯)の陣屋御殿の大書院と玄関部分にあたる。江戸時代後期の天保15(1844)年に建てられ、明治10年から小学校の校舎として使われ、昭和42年に橿原神宮に移築された。

ただし半世紀以上を経て、建物の礎石が沈んだり屋根瓦が破損したりしたため、令和2年度から県文化財保存事務所が改修工事を行っている。

これまでに、地盤強化のためコンクリートの基礎を新設して礎石を据え直し、屋根の部材も補強。今後、約3万枚の瓦をふき直すことにしている。

上棟祭では、文華殿が千年、万年続くようにとの願いを込めて、神職が「千歳(せんざい)棟(とう)」「万(まん)歳(ざい)棟」「永(えい)永(えい)棟」と唱え、屋根に上がった工匠が槌(つち)を振り上げて「オー」と応えていた。

久保田昌孝宮司は「これまで順調に工事が進んで嬉しい限り。完成後は、織田家ゆかりの建物の雰囲気を感じてもらえれば」と話した。

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