東京都美術館(台東区)で14日から21日まで開催される「2024産経ジュニア書道コンクール」(産経新聞社、産経国際書会など主催)で、川崎市の樋口若菜さん(12)=同市立南菅小6年=が神奈川県知事賞に輝いた。
樋口さんは、姉が楽しそうに書道塾に通う姿を見て、「自分も」と小学校1年のときに入塾した。「自分のペースで、納得のいくまで練習ができるところが好き」。先生の指導方針とフィーリングが合い、自分が自分でいられる大切な場所を見つけたと感じた。
今年のコンクールの課題が「月と太陽」に決まったときの気持ちは、「うれしさ半分、嫌だなあ…の気持ちが半分」だった。
まずは「太陽」。「迫力があって、字と字の組み合わせもかっこいい」。樋口さんは「太」ははらいの大胆さ、「陽」は画数の多さをどう見せるかがポイントだと考え、書き込んだ。
問題は「月」だった。二画目をまっすぐ下へ書くのが苦手だった。大事な出品作なので先生に指導を仰ぐと、「少し外側へそらす感じで書いてごらん」。効果はすぐに表れた。じっくりと、一字一字丁寧に、30枚以上、試行錯誤した。最後には納得のいく形に仕上がり、出品作に決めた。
「自分のペースで課題を一つ一つ乗り越える。楽しみながら、すごいなあといわれる作品を書いていきたい」
(高橋天地)