文豪５人の名作をイメージしたクリームソーダが、丸善京都本店（京都市中京区）内の「ＭＡＲＵＺＥＮ Ｃａｆｅ」で期間限定で提供されている。同店は「色合いも味も違った、クリームソーダを作品とともに味わってほしい」とＰＲしている。
昨年から始めた企画。丸善ジュンク堂書店の店員が選んだ５作を、旅先で出会った食材を使ったクリームソーダを創作する「旅する喫茶」代表のｔｓｕｎｅｋａｗａ氏が、作品にふさわしい世界観を色と味で表現した。
５作は与謝野晶子『みだれ髪』▽中原中也『山羊（やぎ）の歌』▽芥川龍之介『杜子春』▽江戸川乱歩『人間椅子』▽中島敦『山月記』。文豪クリームソーダの関西での提供は京都本店のみ。
『人間椅子』は、女性小説家への椅子専門の家具職人による倒錯した恋慕を描いた作品。愛を表現した暖色のクリームソーダに椅子がモチーフのプレッツェルなどを添えた。
『山月記』は中国・唐時代、詩人になる望みがかなわず虎になった官吏の心情を表現した名作。月の光を青色のグラデーションのクリームソーダで作り、月はレモンでイメージした。
このほか『山羊の歌』は雪の白や悲しみの哀色、『みだれ髪』は暮れ行く宵の空を表す桜とスミレ色、『杜子春』は夕空を桃の花を表現した。
販売は９月１日まで。１期（８月４日まで）と２期（８月５～１８日）、３期（８月１９～９月１日）に分け、提供するクリームソーダを変える。昨年の文豪クリームソーダ、太宰治『女生徒』と梶井基次郎『檸檬（れもん）』の提供もある。価格は１３００円（税込み）。
クリームソーダを購入した人には、それぞれの作品をモチーフにしたブックカバーになる敷紙をプレゼントする。オリジナルグッズの販売もある。（園田和洋）