滋賀県長浜市は、市民サービスの利便性向上と市役所の業務効率化に向け、生成AI(人工知能)を活用した電話対応システム「AI電話対応さくらさん」の実証実験を12月2日から始める。原則、土日・祝日も含めて24時間対応が可能。誰でも参加できる市民参加型として実施する。滋賀県内の自治体では珍しい取り組みで、市の担当者は「効果や課題を調べ、導入に向けた可能性を探りたい」としている。
AIさくらさんは、東京のIT企業「ティファナ・ドットコム」が最先端の生成AIを使用したクラウドサービス・対話型システムとして開発した。学習させた分野について問い合わせると、自然言語処理技術で言葉を理解し、自動応答する。
市のDX実証実験プロジェクトの一環として、同社がプロジェクト実施者となり、実験的に導入。電話対応の精度を確認するとともに、市民サービスの利便性向上と市役所の業務効率化への寄与度を検証する。
市内外を問わず誰でも参加できる。使い勝手は良いか▽期待した回答が得られるか―など、市民目線でAIさくらさんの精度を確認し、満足度を把握する。
問い合わせに応答するのは、ゴミの分別案内▽戸籍の届け出方法▽証明書のコンビニエンスストアでの交付方法▽マイナンバーカードの交付方法など▽障害福祉サービスに関連した障害者手帳の申請、各種サービスの案内・利用方法―の5項目。市によると、AIさくらさん(050・1808・8650)に電話し、「可燃ごみの出し方を知りたいのですが」と尋ねると、AIさくらさんが「かしこまりました! 可燃ごみは必ず指定袋で…」などと答える。今回は実験のため、満足できる回答が得られないなど、応答自体に問題がある場合もあるという。
実験期間は来年2月28日まで、通話料は本人負担。