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「びわ湖ブルー」で滋賀の知名度アップ、地域活性化を カレーやラーメン、新作続々

産経ニュース 2025年1月8日 20時8分

バタフライピー(チョウマメ)の花の粉末で着色した真っ青なカレー。まるで青いペンキがかかっているようなカレーを恐る恐る口に運ぶ。んっ、予想に反してうま味と甘味が口いっぱいに広がるおいしさ。驚きだ。このレトルトカレー「びわ湖ブルーカレー」は、合同会社「になって」(滋賀県長浜市)が販売するバタフライピーを使った「びわ湖ブルーシリーズ」の第4弾の商品だ。今年度中に第5弾、第6弾の商品の発売も予定しており、同社代表の鳥塚顕史(とりつか・あきふみ)さん(63)は「びわ湖ブルーシリーズを始めとした滋賀にかかわる商品で、滋賀を活性化させたい」と意気込んでいる。

人気のお土産に

「インパクトが欲しかった。食欲を減退させ、みんなが手を出さない色のカレーは面白いと感じた。それだけに、味にはこだわった。自信はある」

鳥塚さんがそう言って胸を張るびわ湖ブルーカレーは、令和5年11月に開発をスタートさせ、昨年8月に発売した。

商品化は簡単ではなかった。初めはルーが緑色になってしまった。原材料を替え、試作を繰り返し、きれいなびわ湖ブルーにたどり着いた。

バタフライピーを使ったびわ湖ブルーシリーズの第1弾は令和3年11月に発売したバウムクーヘン。当初、営業に回った旅館などでは「青は嫌やわ」「気持ち悪い」などと女将(おかみ)に毛嫌いされて苦戦したが、今ではサービスエリアやホテル、道の駅に並ぶ。

第2弾、第3弾はキャンディー(4年7月発売)、パウンドケーキ(6年2月発売)で、バウムクーヘンとともに滋賀のお土産として人気の商品となっている。

59歳で会社設立

滋賀県長浜市出身。地元の県立伊香高校から広島大に進学。卒業後、大阪の大手通信販売会社に就職した。そこで営業やマーケティング、商品開発などを学び、32歳で独立した。

「食品に詳しくなったので、専門性を生かし、個人で大手の通販会社から依頼を受けて、全国の商品発掘や開発などをしていた」

家族の問題もあり、10年ほどして故郷の滋賀に戻った。地元の食品会社などで営業、品質管理や商品開発に携わった。そして、令和3年7月、食品の企画、開発をベースとした合同会社「になって」を仲間3人と設立した。59歳だった。

京都、大阪へ

「2月に発売を予定しているのはスープが真っ青なラーメン。間違いなくおいしい」と自画自賛する。ラーメンは、これまで培った知識と経験を生かし、北海道の専門会社に依頼。さらに、3月にはクリームが真っ青なクリームパンも発売を予定しているという。

事業は今のところ順調だが、今後については順風満帆とまではいえない。

「いろいろな業者とも競合するので、びわ湖ブルーシリーズの商品はあまり広げすぎない。それより、滋賀はマーケットとして小さいので、次のステップを考えている。まずは、京都、大阪に販路を広げたい」

大阪府民には、≪(買わんと)琵琶湖の水止(と)めたろか≫とパッケージに印刷すれば、効果的かもしれないが、京都人には通用しないかも。

課題は山積しているが、滋賀にかかわる商品の開発が滋賀の知名度アップ、滋賀の活性化につながると確信している。取材をしていて、そのエネルギッシュな行動力に圧倒されっぱなしだった。(野瀬吉信)

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