Infoseek 楽天

東京・足立の老舗銭湯を舞台化「人のつながり感じて」 あやかんぬさん、28日まで公演

産経ニュース 2024年7月19日 21時18分

俳優業のかたわら、大好きな銭湯について取材を重ねてきた、あやかんぬさんが原案、総合監修、出演者を務める演劇「銭湯来人(らいと)」が20日から東京都内で上演される。高校生のころから入浴施設でアルバイトをし、各地を巡る中で気付いた、銭湯を介した「人と人のつながり」を多くの人に感じてもらおうと、人情あり、笑いあり、SFありのドラマに仕立てた。

舞台は、東京都足立区にある老舗銭湯「若松湯」。名物おやじの店主が倒れ、風呂嫌いな息子が店を切り盛りするようになる中、病院を抜け出して戻ってきた店主が誤って湯に落ちると若返っていた-。

「裸と裸の付き合いから、客同士のコミュニケーションが生まれるところ」。あやかんぬさんは、銭湯の魅力をこう語る。

令和4年には、足立区の銭湯で構成される組合の「あだちの銭湯広報隊長」に就任。銭湯の店主らとともに音楽に合わせて踊る動画も交流サイト(SNS)上で人気を博すなど、若者を中心に知名度は高い。

誰よりも強い「銭湯愛」ゆえに、新型コロナウイルス禍の際は、「人が集まる場所で、かつ裸の付き合いなので、一番初めに目を付けられる。銭湯の魅力が失われてしまうのでは…」と殊更に気にかかった。

「銭湯来人」をつくるきっかけは、足立区に実在する若松湯の店主で、地元の人なら誰でも知っているような〝名物おやじ〟と話す中で、「人と人のつながりの大切さ」に気付いたこと。「幅広い世代に銭湯へ足を運んでほしい」という思いが強まった。いやいや銭湯を継いだ息子が家族とぶつかり合いながらも成長していく姿を描く作品を通じ、「家族や友人など心配する人がいることが尊いんだよ、と伝えたい」とあやかんぬさんは話す。

俳優陣は互いに、日夜冗談が飛び交うほど仲が良いという。「湯も沸かすような熱い作品を、熱い湯船でお待ちしていますので、皆さんもぜひつかっていただけたら幸いです」と力を込めた。

公演は、東京都港区赤坂の草月ホールで28日まで。(宮崎秀太)

この記事の関連ニュース