独創的な技術や商品開発を進める企業の交流団体「関西中堅企業の会」(幹事=山本富造・山本化学工業社長)の冬期講演会が26日、大阪市内であり、大阪国際がんセンターの松浦成昭総長が「最先端のがん医療」のテーマで講演した。
松浦氏は「がん細胞は自分勝手に、ルールを守らず増えたり移動したりする。増殖と転移ががんの悪いところを象徴している」と説明。がんの原因は「たばこやアルコール、不摂生な食事、運動不足、放射線など複数の要因が蓄積してなるケースが多い」といい、生活習慣を改善することが重要だと強調した。
日本では年間38万人ががんで亡くなっており、生涯で2人に1人はがんにかかる計算だが、松浦氏は「医療の進歩によって昔と違い、約7割は治る病気になっている」と指摘。ロボットの導入で手術を早く正確に行えるようになり、術後から退院までの日数が10日から5、6日ほどに短縮し、社会復帰も早くなったという。
その上で「今は治るだけでなく、元通りの生活ができるようになることが重要だ。がんサバイバーを社会全体でサポートしていく必要がある」と述べた。