国内屈指の梅産地・和歌山県の田辺市とみなべ町で梅の天日干しが始まった。塩漬けした梅がずらりと並べられ、夏の強い日差しを浴びている。乾くと塩を吹いた白干し梅となり、梅干しメーカーなどで加工され、梅干し製品として出荷される。
今年の県内の梅は暖冬の影響で不作で、JA紀南(田辺市)によると、管内の生産量は平年の約5割にとどまる。さらに3月に降った雹(ひょう)で実に傷がついて等級が下がる被害が出ている。
田辺市下三栖の梅農家、岩見健生(けんお)さん(52)は自宅周辺で、主力品種の南高梅を木製容器に並べて天日干ししている。10月上旬まで続けるという。
岩見さんは「今年は数が少ないが、疲労回復のために梅干しを食べていただければ」と話していた。