Infoseek 楽天

アクアライン変動料金の効果鈍化、交通量増加が要因? 千葉県が1年間の社会実験分析

産経ニュース 2024年8月27日 20時22分

千葉県は27日、木更津市と川崎市を結ぶ東京湾アクアライン(全長約15キロ)の時間帯別に高速料金を変える社会実験の分析結果を公表した。実験開始から1年間で、開始前に比べて交通量の分散効果が見られたが、実験直後よりは、通過にかかる所要時間や分散度合いの効果は薄らいでいる。

実験は渋滞緩和対策で昨年7月に始まった。土日祝日の午後1~8時の川崎方面への上り線で、ETCを搭載した普通車の料金を通常の800円から1200円に引き上げた一方、夜間の午後8時~午前零時は600円と割安にした。来年3月末まで実施される。

分析結果では、料金を引き上げた時間帯は交通量の増加が抑えられ、前後に分散した。実験開始前は通過に最大56分かかったのが、最大50分まで短くなった。

ただ、開始直後のような効果は薄れている。今春(4~6月)は1日3万500台と、開始前の同じ時期(2万9300台)を上回った。所要時間も開始前の最大58分から、最大63分かかる逆転現象が見られた。

昨年5月に新型コロナウイルス感染症が「5類」に移行後、初の大型連休となった今春は各地で行楽客が戻った影響があるようだ。

令和5年度は1日平均で過去最高の5万2800台が利用した。平成20年度の2・5倍だ。県の担当者は「実験には一定の効果が見られるが、全体の交通量が増え、さばき切れない部分もあるだろう」と推測する。今後、効果的な料金体系のあり方を検討する。

(岡田浩明)

この記事の関連ニュース