京都市左京区の久多(くた)地域の休耕田で、夏の風物詩の北山友禅菊が見頃を迎えている。かやぶき屋根の民家をバックに華麗な紫の花が里山の景色に彩を添えている。
京都市北部に自生していた数種類の野生菊をかけ合わせて品種改良。1輪が大きく色の濃い菊を生み出し、平成8年頃から栽培を始めた。切り花として出荷していた時期もあったが、現在は景観用となっている。
久多花き組合代表の常本治さん(69)と尚美さん(67)夫妻が、雑草取りなどの手入れを行っている。お盆のころまでは、紫のじゅうたんのような景観が楽しめるという。
常本さんは「見頃が続くので、山あいの紫を楽しんでほしい」と話している。(田中幸美)