沖縄「正論」友の会第65回セミナーが17日、那覇市内で開かれ、特攻隊の元隊員や遺族への取材を続けている産経新聞の宮本雅史客員編集委員が「特攻と沖縄~特攻隊唯一の目撃者・沖縄県民~」と題して講演した。
宮本氏は先の大戦末期、陸軍特攻の先陣を切った石垣島出身の伊舎堂用久中佐はじめ、米軍の沖縄侵攻を阻止するために出撃し、命を散らせた特攻隊員のエピソードを紹介。「沖縄の海で亡くなった特攻隊員を最後に目撃したのは沖縄の人たちだった」と指摘した。
沖縄戦を巡り、日本が沖縄を「捨て石」にしたという非難があることに触れ、「『捨て石』のために死んだというのか。そんな失礼なことは申し訳なくて言えない」と強調。「任務と覚悟。若い彼らはそれを最後まで貫いた」と述べた。
また、戦後80年を振り返り、「日本は裕福になったかもしれないが、権利ばかり主張し、義務という言葉を忘れてしまった」と憂慮した。