文化・芸術分野で今後の活躍が期待される和歌山県ゆかりの人に贈る「大桑文化奨励賞」の今年度受賞者に、ピアニストの上野絵理子さん(37)と作曲家の冷水乃栄流(ひやみずのえる)さん(27)が決まり、19日、和歌山市内のホテルで表彰式が行われた。
同賞は、県内を中心に店舗展開するスーパー「オークワ」創業者の大桑勇氏が平成5年に設立した「大桑教育文化振興財団」(大桑弘嗣理事長)が贈っており、今回で28回目。県内の文化、スポーツ、教育分野の振興を目的に、優れた活動をたたえ、今後の活躍を期待して資金を援助している。
上野さんは和歌山市出身。京都市立芸術大音楽学部から同大学院音楽研究科修士課程を修了した後、フランスのパリに留学して研鑽(けんさん)を積んだ。第15回和歌山音楽コンクール第1位、第9回日本演奏家コンクール特別賞などの受賞歴があり、国内外のコンサートで活躍。現在は和歌山信愛女子短大保育科の非常勤講師なども務めている。
冷水さんは橋本市出身で、東京芸術大音楽学部作曲科から同大学院音楽研究科修士課程作曲専攻修了。現代音楽を中心に幅広いジャンルで活動し、第30回芥川也寸志サントリー作曲賞最終候補・聴衆賞、第89回日本音楽コンクール作曲部門第2位(オーケストラ)などを受賞した。現在は、県立橋本高校邦楽部で指導も行っている。
表彰式で上野さんは「いただいた賞に恥じないよう音楽の道にいっそう精進していきたい」、冷水さんは「いずれは和歌山にしっかりと戻って、文化・芸術の振興に携わりたい」と感謝の言葉を述べ、それぞれピアノ演奏なども披露した。
会場では同財団の「援助及び寄贈目録贈呈式」も行われ、選ばれた団体の代表者に文化活動援助、無形民俗文化財保持団体援助などの目録が贈られた。