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台風シーズン災害に備えよう 給水拠点の確認や非常用トイレの準備を 

産経ニュース 2024年8月28日 8時0分

非常に強い勢力の台風10号が日本列島を縦断する恐れが高まっている。9月にかけてのこの時期は、日本周辺に多数の台風がやってくる。災害への備えを呼びかける警視庁災害対策課のX(旧ツイッター)を参考に、災害時の給水拠点を確認したり、非常用トイレの準備を進めたりしてみよう。

まずは進路などの情報収集から

《台風がもたらす影響は、沿岸部や内陸部など場所によって異なるので、地域の特性にあった対策をしましょう》

Xでこう呼びかけたのは、同課の高松悟朗巡査長(32)だ。高松さんは「8、9月は日本が台風の影響を受けるリスクが高まるので、注意喚起のために投稿した」と話す。

気象庁によると、昭和26年から昨年までの間、日本列島に接近した台風は838個。月別に見ると8月が250個と最も多く、9月が210個と続く。ただ、関東甲信地方(島嶼部を除く)に限ると、9月が74個、8月が70個と逆転する。

強風に加え、大雨や高潮による水害の恐れもある台風には、どう備えればいいのか。高松さんは「台風は地震と違い、事前に予想できるため、強さやコースなどの情報を集めながら、対策を考えることが可能」と説く。「避難グッズの準備に加え、ハザードマップを確認して避難場所やそこまでの経路の確認などを事前に行い、屋根や排水溝の点検など自宅のメンテナンスもできるならやっておくと安心」と話した。

給水場所、知ってる?

災害時は停電、断水などさまざまなリスクが予想される。同課の矢内雅樹巡査部長(42)は、断水に備えて東京都が設置する「災害時給水ステーション」を示す看板の写真をXに投稿した。

都のステーションは浄水場や給水所、大きな公園などにあり、断水の際には成人が1日に必要とする3リットルを目安に配布できるように準備。居住地から半径約2キロの範囲に最低1カ所のステーションがあるように、各地に配置されているという。他の自治体でも災害時の給水拠点の設置は進むが、場所を示すマークや目印は各地で異なる。

都内在住の矢内さんは、自宅近くの公園にあるステーションを訪ねてみたが、「柵で囲われていて、事前に知らなければ気づかないような場所にある」と明かし、「水は生きていくのに不可欠。災害時、どこに行けば給水を受けられるか、事前に確認してみては」と呼びかけている。

トイレセット、インテリア風にして身近に

防災備蓄を考えるとき、忘れてはならないのが「トイレ」の準備だ。便座にポリ袋を2枚かぶせて座り、用を足した後は凝固剤で固め、かぶせたポリ袋のうち1枚を使って包んで捨てる「非常用トイレ」の活用が望ましいとされる。

「凝固剤などを備蓄していても、収納棚の奥底にしまったままにしている人が多いのでは」。同課の平井健梧警部補(32)はこう思い立ち、手の届く場所にまとめて置いておく方法を考案した。

そのアイデアは、空いたペットボトルや紙パックに凝固剤やポリ袋など非常用トイレに必要なものを詰め、造花を挿して花瓶風のインテリアにしてしまうというもの。好きなイラストで飾ったり、絵を描いてみたりと子供と楽しみながら備えることもできる。

平井さんは、「生活する場やその周辺に置いておくことで、いざというときにすぐ使える。花瓶以外にもいろいろなアレンジが考えられると思うので、試してみては」と話している。(橋本昌宗)

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