鳴門海峡の渦潮を楽しむ観潮船「うずしおクルーズ」などを運営する「ジョイポート淡路島」（兵庫県南あわじ市）は、夏休みの期間中に合わせ、時速８０キロの高速航行ができるボート「ＲＩＢ（リブ）」（Ｒｉｇｉｄ－Ｈｕｌｌｅｄ Ｉｎｆｌａｔａｂｌｅ Ｂｏａｔ）について本格実施に向けたモニター運航を行う。２０２５大阪・関西万博を見据えた観光振興の一環で、今月２０日から８月３１日まで毎日運航する。リブの導入は、全国的にも珍しい試みという。
同社は昨年、最高時速８０キロで航行が可能な「ＲＩＢ」を３艘導入。全長約９メートル、定員１２人で、エンジンは２５０馬力という高出力を誇る。
両舷に大きな浮力体のチューブを持つことから走破性に優れ、海がどのような状況でも安定した航行が可能で、災害救助や軍事など幅広い場面で活用されている。海外では欧米を中心に観光分野で多数の導入事例がある一方で、国内ではまだ観光分野での普及が進んでいないという。
同社は、万博開催を見据えた観光客誘致に向けて、来年の本格実施を目指しており、今夏は、モニター運航として、本格実施時よりも安価な料金で楽しめるプランを準備した。
モニター運航時の乗船は、アンケートへの回答と、ＳＮＳでの写真使用を承諾することなどが条件。乗船料金は大人が６千円で小学生は３千円。観潮船が発着する福良港（南あわじ市）から約４５分をかけて周辺を周回。舟でしか行けない「秘密のビーチ」での休憩などがコースに含まれる。期間中は、午前９時～午後４時まで計８便を運航する。
担当者は「普通の舟では味わえない爽快感を楽しんでほしい」としている。問い合わせはジョイポート淡路島（０７９９・５２・００５４）へ。