人生が変わるかも！？ 顔映りの良い色を見つける「カラー診断」と体形の特徴を知る「骨格診断」、顔立ちを分析する「顔タイプ診断」を組み合わせ、論理的に「似合う装い」を提案するイメージコンサルティングが人気だ。女性顧客が中心だったが、男性からの引き合いを受けてメンズサロンも登場。診断後の買い物に同行して、約３時間で魅力アップを完結させるプランもある。提携する結婚相談所では、お見合いの申し込みが急増した男性もいるという。
「顔タイプ」個性に応じて魅力アップ
新型コロナウイルス禍のマスクが外れたこの１～２年。男性の美意識の高まりは顕著だ。
「ナチュラルメークをしたり眉サロンを利用したりする若い男性が増えた。似合う服や小物を知りたいというニーズを感じ、分かりやすい店名にしました」
メンズ専門「似合うがわかる店」を５月に開いた、日本顔タイプ診断協会理事長の岡田実子（じつこ）さんが語った。目・鼻・口の大きさや形と位置、輪郭や頰の直線・曲線を分析することで、顔かたちの印象を分類する、独自の理論を確立したイメージコンサルタントだ。３年前の取材で、政治家を顔写真で診断してもらった際には、岸田文雄首相「クール」、安倍晋三元首相「エレガント」、麻生太郎自民党副総裁「チャーミング」…といった結果に膝を打ったものだ。岡田さんは１９年間の活動で７千人超の女性に診断・アドバイスを実施してきたが、男性需要の高まりも感じていた。
メンズ専門サロンは東京メトロ丸ノ内線の新宿御苑駅近く。シャツやジャケット、眼鏡など多数のファッションアイテムは商品ではなく、診断後に具体的な提案をするためのサンプルだ。メークの指導も受けられる。利用者は開店１カ月間で５１人、２０～４０代の会社員が中心という。基本コースは２時間２万９５００円で、３種類の診断とアドバイスが受けられる。さらに買い物に同行するプレミアムコース（３時間４万９５００円）もある。
「服装は自分の〝ラベル〟。顔や体形に合わない装いは、見ている人に違和感と怪しい印象を与えます。魅力アップの近道はまず自分を知ること。自信がついて、出会う人や人生も変わっていく」と岡田さん。
初めて利用した衣料品会社勤務の男性（４４）は、「これまで洋服は感覚値で選んでいたが、似合うものに確信が持てた。多くの人に薦めたい」と満足している様子だった。
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想定外だったのが、妻や彼女からのプレゼントという利用者の多さだ。付き添ってアドバイスをメモしたり、写真を撮ったり女性の積極姿勢が目立ち、男性は素直に従っている。「平日はスーツを着ればなんとかなるけれど、悩ましいのがプライベートで着る服。一緒に出掛ける際に、格好よくいてほしいという女性の願いが動かしている面もありますね」と岡田さん。
買い物同行はハイブランドよりもファストファッションなどのコストパフォーマンスの良い店舗を希望する堅実派が目立つ。診断を受けるのも「買い物で失敗したくない」という、今どきの合理的思考からなのだろう。
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結婚相談所を全国展開するＩＢＪ（本社・東京都新宿区）と３月に提携。婚活会員向けのオプションとして「似合うがわかる店」と同様のサービスを提供している。モニターとして診断・アドバイスを受けた男性会員の経歴閲覧数が４倍以上に増加し、お見合い申し込み数が１件から２１件に激増するなどの手応えを得て、本格提携に至った。
「婚活では写真などの第一印象が大きく影響する。入会の際や活動に変化をつけたい会員の需要が高い」と同社。５月までの新規入会者で男性８２人、女性７７人が利用。「成婚率アップにつなげたい」と期待する。
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私が診断を受けて感じたのは、「似合うがわかる」ということは「似合わないのもわかる」ということ。家を圧迫する大量の服を、やっと処分できそうだ。（重松明子）