日本ガス協会は20日、2025年大阪・関西万博のバーチャル会場「バーチャル万博」に出展する「バーチャルガスパビリオン」の概要を発表した。バーチャル万博は、スマートフォンやパソコンなどからインターネットで展示を体験できる。世界中のどこからでも参加できる「未来社会」の可能性を示すとともに、バーチャルに慣れ親しんだ若い世代を中心に関心を高めることで、実際の会場と連携して機運を盛り上げる狙いがある。
バーチャルガスパビリオンは、同協会が実際の会場に出展する「ガスパビリオン」と同様に、「おばけワンダーランド」を舞台に未来のエネルギーを学べる。アドベンチャーゲーム形式で、プレーヤーは未来の「おばけ」を探して冒険を繰り広げる。大阪市内で開かれた会見では、ゲーム画面のイメージ映像などが公開された。
大阪・関西万博は、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)で4月13日に開幕。バーチャル万博は万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)がNTTの先端技術を活用し、実際の万博と並行して展開する。
利用者は4月の開幕直前にリリースされるアプリを通じて24時間、スマホやパソコンから無料でアクセス可能。画面の仮想空間(メタバース)にパビリオンが立ち並ぶ。実際の万博に出展する各国や企業は、バーチャル会場でもパビリオンやイベントを展開する。
利用者は拡張現実(AR)や仮想現実(VR)の技術を使い、自身のアバター(分身)を操作してバーチャルの会場を巡り、イベントに参加したり、他の来場者と交流したりする。
万博協会はバーチャル万博の活用方法として、実際の会場を訪れる前にパビリオンの展示などについて事前学習し、予定づくりに役立てることを提案。応募で落選したイベントのライブ配信を自宅で楽しめるほか、予定が合わず会場を訪問できない場合の代替手段にもなるとしている。
大阪府市などは1月15日、実際の会場に出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」をバーチャルで先行開館した。大阪の中小企業などの製品や技術を展示し、ビジネス拡大につなげる。
大阪ヘルスケアパビリオンの運営に携わる大阪商工会議所の鳥井信吾会頭は20日の記者会見で「リアルでみられない画像や映像を楽しむことができ、想像力がふくらむ」と語った。(井上浩平)