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<独自>千葉県検討の宿泊税導入、自民千葉市議団が懸念の意見書 12月市議会に提出へ

産経ニュース 2024年11月19日 22時0分

千葉県が導入を目指す宿泊税を巡り、自民党の千葉市議団が26日開会の第4回(12月)定例市議会で、観光振興の妨げになりかねないとして慎重に検討するよう求める意見書の採択を目指していることが19日、複数の関係者への取材で分かった。今月22日の同市議会議会運営委員会に提出される見通しだ。12月12日の議運で賛成が過半数となれば、翌13日の本会議で採決が行われる。

県は今年3月、有識者の検討会議を立ち上げ、宿泊税の導入について検討。

7月に公表された制度設計の素案では、千葉県内のホテルや旅館などで、宿泊客に一律150円を課し、県内の各市町村が独自に宿泊税を設定する場合には上乗せする「千葉モデル」が示された。

自民千葉市議団はこれに反発した。意見書では、「全国的に1人1泊につき宿泊税は200円になることが多い」としたうえで、市町村が上乗せで宿泊税を徴収することになれば、「県外の宿泊施設と比べて宿泊代金が高額となり、観光振興の妨げになりかねない」と懸念。

新型コロナウイルス禍の収束に伴い観光重要が回復するなか、県と市による「二重課税」が足かせになる可能性があることを示唆する内容になっている。

また、県の素案では年間約42億円の宿泊税収が見込まれ、約11億円を各自治体の支援に充てるとしているが、意見書では「千葉市内の宿泊事業者に対する説明会は1度だけ。県内市町村に対し、使途やあり方に対する協議の場を設けず、十分な説明を行っていない」と指摘する。

税収の具体的な観光需要に対する還元策などについて各自治体に丁寧に説明するように求める。

千葉市観光MICE企画課によると、市では平成28年に市独自の宿泊税導入案が浮上したが、徴収システムの整備にかかるコスト面などから断念した経緯がある。

今月20日には、市観光振興検討会議の初会合が行われ、有識者や市内の観光事業者らが千葉モデルについて意見を交わす見通しだ。

県の宿泊税検討を巡っては、独自に導入を目指す同県南房総、浦安両市からも懸念の声が上がっている。県の対応次第で、各市町村との溝が深くなる可能性もあり、慎重な対応が求められそうだ。

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