岩手県花巻市の田瀬ダムで30日、ダム竣工70周年を記念してクレストゲートからの放流が午前11時と午後1時の2度にわたって行われ、県内外から500人を超えるダムマニアらが詰めかけた。
クレストゲートはダムの堤頂部に取り付けられたゲート。記録的な大雨で貯水量がダムの許容量を上回って緊急放流が必要になった場合にのみ使用する。
国直轄ダムの第1号として昭和16年に起工した田瀬ダムが竣工したのは29年10月。クレストゲートからの放流は竣工直後の30年の試験放流以来のこと。
県内外から詰めかけたダムマニアらは立ち上る水しぶきを浴びながら歴史的なクレストゲートからの放流の様子をカメラやスマホの動画に収めていた。
小学6年の高橋昂暉さん(12)=横浜市=は「迫力満点でとても感動した」。高校3年の庄司怜夢さん(18)=山形県尾花沢市=は「6門の放流はこれまで見た中では最高」と興奮気味に話した。
会社員の山口千恵さん(33)=福島県須賀川市=は「歴史的な放流に立ち合えて本当によかった」と話し、滋賀県彦根市からきた主婦(52)も「東北の大きなダムで放流が見られ、来たかいがあった」と満足げだった。