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埼玉・桶川市長のかくれんぼ動画が反響 悪ふざけ、と揶揄も 市はZ世代にPRと大真面目

産経ニュース 2024年10月4日 10時0分

埼玉県桶川市が動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信するオノカツこと小野克典市長(56)自らが市のPRのため、かくれんぼをする動画が反響を呼んでいる。地元ローカル局の歌番組で女性歌手になりきって熱唱する姿が県内では知られており、今回の動画も「ただの目立ちたがり」「悪ふざけ」と揶揄(やゆ)する向きもあるが、市は大まじめ。若い世代へのアプローチを考えた末に決まった配信内容のようで、どうやら「全力」でふざけているようだ。

話題を呼んでいるのは桶川市公式チャンネルの中に投稿されている「桶川かくれんぼ」という題名の約2分の動画3本。「ハートフル桶西水族館」「べに花畑」「桶川祇園祭」の場所・イベントをそれぞれ動画で紹介、PRしている。

いずれの動画にも後半部分で「この中にオノカツ市長が隠れています」とテロップが流れ、隠れていた場所をズームアップで明かすゲーム感覚の内容だ。その後、例えば「べに花畑」編では、緑のTシャツ、べに花が付いた帽子を被ったシュールな姿の市長が出てきて、「べに花畑見に来てね」と真顔でのPRに思わず笑ってしまう。

Z世代への波及効果期待

市秘書広報課によると、制作の経緯は、市公式チャンネルの登録者の属性を調べたところ年代の高い層が多く、市内外の10代から20代半ばの「Z世代」などに桶川市に興味をもってもらうことが必要と考えたのがきっかけのようだ。

その中で、フジテレビの「新しいカギ」(毎週土曜午後8~9時)で、学校に出向き生徒とお笑い芸人が大がかりなかくれんぼをする「学校かくれんぼ」が世代を問わずに人気を呼んでいることから、市職員が「かくれんぼ」をコンテンツに入れれば話題を呼ぶとの提案があり、採用したという。

これに市長自らが出演してPRすることになったのだが、この動画に対し「小野市長、体張ってんなあ。今後も、もっと桶川を盛り上げてください!」など応援する声も寄せられているという。

MISIA、美空ひばりに

一方で、市長自らが出演して、市をPRするのは、テレビ埼玉(テレ玉)が毎年元日に知事を筆頭に県内の著名な政財界人を集めて放送する「埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」で、女性歌手のMISIAさん、美空ひばりさんになりきった扮装(ふんそう)で熱唱するなどサービス精神が旺盛なことも一因だ。県内ではこれを機に「オノカツ」と呼ばれることが多くなったもようで、本人も目立つことにまんざらでもない様子だ。

小野市長は動画について、「桶川かくれんぼでは柔らかい感じで(オノカツ)を使用し、さりげなく市をPRしていきたい」と方針を語っている。

市政では平成25年の市長初当選後、放課後児童クラブの拡充、官民連携地域コミュニティ拠点施設「フレスポ桶川」(同市坂田東)の整備など「子育てしやすい」まちづくり政策を進めてきた。今回の動画の目的に対し、市は「動画を移住促進のきっかけにしたい」としているが、果たして効果は出るのだろうか。(昌林龍一)

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