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受験生狙う卑劣な痴漢を許すな 18日から共通テスト 警察や鉄道事業者が警戒強化

産経ニュース 2025年1月16日 13時42分

18、19日に大学入学共通テストが行われるなど本格的な受験シーズンを迎える中、警察や鉄道事業者は受験生を狙う痴漢への警戒を強めている。警察などは連携して電車や駅構内でのアナウンスやポスター掲示を行ったり、警戒活動を実施。大学入試センターも受験生が被害に遭った際の追試験などの対応を取る。

「受験生の皆さまを守る取り組みに協力をお願いします」。多くの大学が集まるJR御茶ノ水駅(東京都千代田区)では15日、警視庁の警察官や学生ボランティア、俳優の田中道子さんらが通行人に啓発チラシを手渡して呼びかけた。

交流サイト(SNS)では近年、「遅刻を心配する受験生は被害を届け出ない」などと、共通テスト当日は「痴漢日和」などとあおる悪質な投稿が多発。昨年には警告に従わず投稿を繰り返した男性が書類送検された。

警視庁によると、令和6年の痴漢事犯の摘発件数は725件(暫定値)。被害者で最も多かったのは20代で338人、次いで多かったのが10代で235人だった。警視庁は19日までを痴漢対策強化期間に定め、警戒活動やSNSの悪質な投稿に対する警告を実施する。昨年は1~2月に約50件の警告を行ったという。

痴漢の被害者や目撃者がスマートフォンの画面に「助けてください」「痴漢されていませんか」と表示させることができる警視庁の防犯アプリ「デジポリス」の活用も呼びかけている。警視庁の担当者は、痴漢被害の相談には「状況に応じた配慮をしながら対応する」としている。

この日キャンペーンに参加し、自身も1級建築士試験を受験、合格した経験を持つ田中さんは、「今後の人生を変える大勝負というときの被害は、被害者の心をえぐる重大な犯罪。私たちにできることは被害者の方を孤独にしないこと」と訴えた。

大学入試センターも痴漢被害に遭った際の対応方法をホームページで公開している。当日に被害に遭ったり、目撃者として対応したりした場合は追試験の対象になるとして、受験票に記載されている「問合せ大学」に連絡してほしいとしている。(橋本愛)

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