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長時間労働、鬱・不安障害疑い多く 芸術・芸能スタッフ初調査 過労死防止白書

産経ニュース 2024年10月11日 11時23分

政府は11日、令和6年版「過労死等防止対策白書」を閣議決定した。過重労働が懸念される業種のうち、「芸術・芸能」分野のフリーランスを含む映画監督や編集者、技術スタッフなどの働き方を初めて調査し、長時間労働や、鬱・不安障害の疑いのある人が一般就業者全体より多いことが確認された。

白書によると、昨年度に脳・心臓疾患による労災認定は、4年ぶりに200件を超え、216件(前年比22件増)で、鬱病など精神疾患での労災認定は883件(同173件増)で過去最多となった。

芸術・芸能分野の調査では、昨年10~12月に回答があった男女488人のうち、35・2%が1週間当たりの拘束時間が「60時間以上」と回答し、スケジュール上の休日数が、週1日未満(月0~3日)が27・0%、週1日程度(月4~6日)が25・6%だった。

また、「仕事の関係者から殴られた、蹴られた、怒鳴られた」などのハラスメントを22・3%が経験し、取引上のトラブルでは「仕事を受ける前に報酬額を提示されない」と51・0%が回答。30・5%で鬱や不安障害の疑いがあり、一般就業者全体より多かった。

政府は令和3年の「過労死等防止大綱」で音楽や演劇など芸術・芸能分野で、長時間労働の実態を調査研究する必要性を指摘。今年8月の大綱の改定で特に対策が必要な「重点業種」に加えられた。

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