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千経経済大に残る煉瓦棟 旧陸軍・鉄道連隊の歴史 いまに伝える企画展が話題

産経ニュース 2024年6月27日 16時38分

千葉経済学園が運営する千葉経済大の総合図書館(千葉市稲毛区)で、企画展「学び舎に残る歴史~煉瓦(れんが)棟と千葉の戦跡~」が開かれている。大学の敷地にある「旧鉄道連隊材料廠(ざいりょうしょう)煉瓦建築」(通称・煉瓦棟)がたどってきた歴史を今に伝える。かつて近隣にあった他の戦跡の歴史も年表や地図を使って分かりやすく紹介し、話題になっている。

煉瓦棟は戦前、旧陸軍の鉄道第一連隊の材料廠で、鉄道軌道の材料の管理や列車の組み立て、修理のために建築された。後に千葉陸軍兵器支廠(ししょう)となった。

連隊の敷地の周りには鉄道敷設方法を演習するための路線(演習線)が敷かれていた。

戦後は旧国鉄が列車やレールの修理などで使っていたとされるが、昭和60年に同学園が払い下げを受けた。

明治期に創建された県内でも貴重な大規模煉瓦建築物だとして、平成元年には県から有形文化財建造物として指定を受けた。

煉瓦棟は東西に54・4メートル、南北12・7メートルある。平屋建てで、トタンぶきの屋根が覆う。

内部には広大な空間が広がり、弧を描いたアーチが約5メートル間隔で並ぶ。かつては煉瓦棟前からアーチに向かってレールが敷かれており、アーチの下で列車の修理などが行われていた。

図書館での企画展では鉄道連隊の訓練活動や、煉瓦棟の構造などを模型や写真、パネルで紹介する。

鉄道連隊が実際に建設に関わった「千葉県営鉄道」も紹介し、旧多古線の路線跡から出土した金属製の枕木の現物も展示している。

同図書館の奥三恵図書館課長は「煉瓦棟は大正12(1923)年の関東大震災にも持ちこたえた。なぜ今、この地にこうした建物が残されているのか、時代背景も含め、多くの人に知ってもらいたい」と語る。

8月23日まで。観覧料無料で、事前予約不要。見学時間は月~土曜の午前9時~午後6時(土曜は午後4時まで)。日曜休館。同図書館(043・253・9941)。

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