クマの被害が深刻化する中、スマートフォン連動型の防犯カメラなどを手がける米企業リングが、クマによる〝窃盗〟動画を公式SNSで公開した。同社は「防犯対策の一助になれば」としている。
動画は、同社のカメラを利用する海外の個人宅で撮影された。クマが台所に置かれた冷蔵庫のドアを、前足を使って開放。家主が冷凍していたというラザニアを口でくわえ、近くの窓から脱出した。
また、別の個人宅のカメラ動画では、親子とみられる2頭のクマが車の後部座席のドアを開け、車内をあさる様子も確認できる。
同社は、外出時も対応可能なスマホ連動型のカメラ付きインターフォンや、ペット見守り用の室内小型カメラなどを提供。ユーザー側の許可を得て、社会的に有益と判断した撮影動画を公式SNSで公開している。カメラ利用により、クマに限らず不審者の接近や侵入をリアルタイムに把握することが可能になるため、担当者は「安全安心の実現に向け、一助になれば」としている。
クマ被害を巡っては、日本国内で近年、被害が深刻化。環境省によると、令和5年度の人的被害は、把握できる平成18年度以降、過去最多の219人(死者6人含む)だった。人里へ下りて住宅街で餌を探す「アーバンベア(都市型のクマ)」も増えており、同省は鳥獣保護管理法を改正して市街地での銃を使った殺処分の条件を緩和する方針。