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夏こそ向き不向きの見極めを どれくらい志望するかが成否の鍵 就活リサーチ

産経ニュース 2024年8月14日 9時0分

志望していた職種が自分に向いていないかもしれない-。毎年、就職活動を進めていくうちにそう考え始める学生が出てきます。もやもやと悩んだまま就活を進めても選考で本来の力を発揮できません。この夏に行われている企業での就業体験「インターンシップ」などを積極的に活用し、向き不向きを見極めておきましょう。

どれくらいその企業、職種に就きたいと志望するかは、いわば就活の成否の鍵となる要素です。

今年2月の企業調査では、採用活動で学生の「志望度・入社意欲」を「とても重視する」「やや重視する」を合わせた答えが95・1%に上りました。

インターンで知る

自分の熱意を確認したり、より高めたりするのに有効なのが、目指す企業のインターンへの参加です。実際に仕事を体験してみると、仕事の向き不向きの感触がつかみやすくなります。

どのような仕事を得意とし、どんなシーンで最も成果を出せるのか。それらを理解すると、今後のスキル習得の伸びしろもイメージしやすくなります。想像していた仕事像とのギャップも把握しやすくなりました。

日程が5日以上あり、内容も充実したプログラムを実施する企業も増えています。業務を体験したり、働く人たちと交流したりすると社内の雰囲気がうかがえて、働くイメージを持ちやすくなります。充実感を得た場面を振り返ると、自分が仕事に求めている要素への理解にも役立ちます。OB・OG訪問を通じて企業の文化や業務内容を知ることも有益です。

「業務内容の理解が深まった」「働く姿を想像できた」-。昨年9月の調査では、来年卒業予定の大学4年生(当時3年生)らがインターンシップなどへの参加について、そんな肯定的な声を寄せていました。

志望外でも意外と

一方、もし志望とは別の職種に就いたとしても、努力と経験を積んでスキルを磨いているうちに「向いている」と思える仕事になる可能性もあります。入社1年目の社会人を対象に入社後の状況を聞いた今年2月の調査では「苦手なことにも取り組めるようになった」などの声が寄せられました。根気よく取り組めるかどうかがポイントになるといえるでしょう。

入社後もさまざまな職務にチャレンジできるように、制度を用意している企業も少なくありません。社員のキャリア形成支援も盛んになっています。多様な経験を積ませる制度として複数の部署を経験する「ジョブローテーション」や、志望する部署への「社内公募制度」などもあります。「この仕事がしたい」と前向きな挑戦の姿勢を示すことは、企業に歓迎されています。

キャリアは1度決めたら終わりではなく、見直しや修正が可能です。やってみたい仕事にチャレンジできる環境は数多く用意されているので、向き不向きにとらわれず、まずは自分の気持ちを大事にしていくことが大切といえるでしょう。

(キャリタスリサーチ 吉田治)

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