白く柔らかい毛で覆われた体に、つぶらな瞳。大型犬・サモエドの人気が急上昇中だ。交流サイト(SNS)上では、心をわしづかみにされてしまうため「見てはいけない」と言われるほど。そんな「歩くぬいぐるみ」と触れ合える「サモエドカフェ」の出店も続いており、連日国内外からファンが詰めかけている。
1月中旬、原宿の「サモエドカフェmoffu(モフ)竹下通り店」を訪れると、サモエドの子犬と戯れ、抱きかかえて写真を撮る多くの客の姿があった。20代の男性は「ふわふわな毛が気持ちよく、魅力的だった。大型の犬種と触れ合える機会はないので新鮮」と笑顔で話した。
ロシアのシベリア地方が原産のサモエドは、いわゆる大型犬に分類される。同店で飼育されている生後半年以下の子犬でも、前足を上げて立つと、成人男性の胸元まで顔が届くほどの大きさがある。
名前の由来であるシベリアの遊牧民・サモエード族とともに暮らし、極寒の中で互いに体を温めあう関係だったことから性格はおとなしく、人懐っこいのが特徴。この日もたくさんの客におびえる様子も見せず、近づく姿が見られた。
サモエドはもともと、韓国でブームとなり、数年前から日本でも人気に。口角が上がったときの表情はSNS上などで「サモエドスマイル」と呼ばれ、癒やしを求めるファンが増加。実際に触れ合えるサモエドカフェの出店が各地に相次ぐようになった。
moffu竹下通り店では、若者だけでなく欧米などからのインバウンド(訪日客)も多く来店。動物カフェがひしめく原宿エリアにあって平日でも行列が絶えることはない人気ぶりで、30分ごとに設けている枠は予約も含め常に満員という。
同店で副店長を務める高橋彩香さんは「日本では大型犬と触れ合う機会が少なく、サモエドで癒やされたいという方が多い。お越しになる際は早めの予約をして、存分に楽しんでほしい」と話した。(重川航太朗)