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中央官庁情報 消費者庁 生活おびやかす問題に消費者の視点で政策を監視 受験ジャーナル

産経ニュース 2024年12月16日 16時22分

国家公務員総合職試験,一般職試験に合格すると,その主な職場は「国の行政機関」である1府12省庁,つまり,内閣府および11省+国家公安委員会(警察庁)となる。さらに各省の下には外局である庁や委員会が置かれており,地方に出先機関を設けている省庁も多い。国家公務員の職場は実に幅が広いといえるだろう。それぞれの官庁が取り組んでいる仕事内容や課題などを紹介する。

さまざまな消費者事故,相次ぐ食品表示偽装問題や,悪質商法の横行など,われわれの生活をおびやかす種々の問題に,消費者の視点から政策全般を推進することを目的に設置された。内閣府の外局で,9課2参事官体制で業務に当たっている。常勤職員は約400 人あまり。

〈総務課〉総務課は人事・会計・法令審査などの消費者庁全体を対象とする業務のほか,国会対策などのいわゆる官房業務を行う。官報への掲載はもちろん,新聞やテレビといったマスコミ媒体への情報提供,取材対応といった広報・報道関係も担当する。

〈消費者政策課〉消費者庁全体に通じる基本的な政策の企画・立案・推進を担当し,「消費者基本計画」等のまとめにかかわる。さらに関係省庁との政策調整や国際関係業務も担当する。「消費者政策課財産被害対策室」では,消費者安全法に基づき通知された消費者事故(財産分野)情報の集約・分析・原因究明や,同法における注意喚起を実施する。「消費者政策課寄附勧誘対策室」を令和5年度から新たに立ち上げ,法律と証拠に基づいて,不当な寄附勧誘行為に対する監視や行政権限の行使を実施する。

〈消費者制度課〉消費者契約法を所管し,適格消費者団体の認定・監督を行う。また,所管する消費者裁判手続特例法に基づいて消費者団体訴訟制度を運営している。

〈消費者教育推進課〉⾃⽴ した消費者を育成するための消費者教育や,所管する⾷品ロス削減推進法に基づき,⾷品ロスの削減を通じたSDGs の推進などを⾏う。

〈地方協力課〉地⽅公共団体と連携し,地方消費者行政に関する政策の企画・立案・推進や,消費者ホットライン「188」の周知啓発を⾏う。また,「国民生活センター」の運営・監督を担うとともに,連携して地⽅公共団体の消費⽣活相談体制のバックアップに当たる。

〈消費者安全課〉消費者安全法に基づき通知された消費者事故情報につき,その集約・分析・原因究明を行う。さらに,消費者生活用製品安全法に基づき,事業者等から報告があった重大製品事故情報を公表する。また,消費者安全調査委員会の運営サポートを行う。

〈取引対策課〉訪問販売やネット販売,預託取引などに関して消費者の利益を守る役割を果たす。特定商取引法,預託法を所管し,その遵守を図る。加えて,特定電子メール法,宅建業法,旅行業法,割販法,貸金業法を所管し,宅地建物取引,旅行運営,割賦販売,貸金業について消費者保護を図る。

〈表示対策課〉景品表示法,家庭用品品質表示法等を所管し,消費者が適正に商品・サービスを選択できる環境を守るため,表⽰のルールを整備している。

〈食品表示企画課〉食品表示法,JAS 法,食品衛生法,健康増進法,米トレーサビリティー法を所管し,食品の表示に関するルールを整備している。

〈参事官(調査研究・国際担当)〉社会変化に応じた有効な消費者政策⽴案に資する研究や国際業務を実施。そのほか,『消費者白書』の執筆・取りまとめなど,消費者政策の基礎となる調査分析を実施する。

〈参事官(公益通報・協働担当)〉公益通報者保護制度の企画・⽴案・推進,消費者志向経営の推進,物価関係業務などの,消費者と事業者との連携強化のための体制整備を⾏う。

〈新未来創造戦略本部〉オフィスを徳島県に設置し,全国展開を見据えたモデルプロジェクトの推進,消費者政策の研究,国際シンポジウム等の国際交流事業を実施している。

人事データ

配属・移動

おおむね2年サイクルで異動する。消費者庁においては,平成25年度から新規採用を開始したところであり,近年では徳島の新未来創造戦略本部を含む庁内の異動以外にも他省庁,関係機関との人事交流を拡充しているほか,国際機関への派遣にも力を入れている。

昇任

係員→係長→課長補佐→室長→課長という昇任ラインで,本人の適性を踏まえ,能力・実績等に応じ昇任していく。

採用動向・採用予定

令和5年度の採用は,総合職3人(法律2人,森林・自然環境1人),一般職(大卒程度)4人(行政3人,農学1人)となっている。令和6年度も区分にとらわれず採用予定。

(公務員試験受験ジャーナル 公務員の仕事入門ブック・6年度試験対応・記事内容を一部編集しています)

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