特殊詐欺被害の拡大を防止するため、大阪府警守口署は認定アドバイザー「まもりぐち隊」を結成した。メンバーは大阪府守口市内で活動する民生委員や介護士、ホームヘルパーらで構成され、高齢者に対して注意を促す。同署は年内に隊員を300人程度に増やす方針だ。
同署が実施する特殊詐欺の手口や被害防止策に関する約1時間の講習を受けた人をアドバイザーとして認定。今回、10月に講習を受けた82人が認定された。
同署によると、今年10月末までに市内で発生した特殊詐欺事件は42件で被害総額は約7408万円に上る。被害件数は昨年よりわずかに減少したが、被害総額は昨年(約5351万円)を大きく上回り、深刻な事態が続いている。
被害者の約85%を65歳以上の高齢者が占めており、高齢者と接する機会が多い介護士やホームヘルパーらの協力を得ることにした。同署で行われた協定締結式には、瀬野憲一市長や市社会福祉協議会の担当者も参加。連携して被害防止に取り組むことを確認した。
アドバイザーに認定された介護福祉士の大野智美さん(64)と高田弘美さん(55)は「事前に特殊詐欺の手口を知っておくことで、意識が変わってくる。利用者に対しても『気をつけて』などと声をかけて被害防止に少しでも貢献できれば」と話していた。