和歌山県新宮市―三重県紀宝町間で建設が進められていた自動車専用道路「新宮紀宝道路」(2・4キロ)が、12月7日に開通する。整備している国土交通省紀南河川国道事務所は、「開通により災害時のネットワーク確保、観光地へのアクセス強化などへの寄与が期待できる」としている。
同省などは、大阪府松原市から和歌山県の紀伊半島の海岸近くなどを経て三重県多気町に至る自動車専用(高速)道路を「近畿自動車道紀勢線」(延長約340キロ)として整備。開通区間は「阪和自動車道」「紀勢自動車道」などの名称で利用されている。和歌山県も産業振興や防災などの観点からこの道路整備を重視し、「紀伊半島一周高速道路」と呼んで早期全線開通を目指している。
今回開通する新宮紀宝道路もその一部。2車線(片側1車線)道路で、インターチェンジ(IC)は新宮市側から新宮北(同市あけぼの)、紀宝鵜殿(うどの)(同町鵜殿)、紀宝(同町神内)の3カ所を設けた。12月7日午前10時から、紀宝町まなびの郷で関係者らが出席して開通式典が行われ、同日午後3時に開通する。
開通にあたり、岸本周平知事は「『紀伊半島一周高速道路』の整備は長年の悲願。その一部を形成する道路の開通はたいへん喜ばしい限り。早期完成に向けた事業推進に今後も積極的に取り組んでいく」などとするコメントを発表した。
県内の「近畿自動車道紀勢線(紀伊半島一周高速道路)」は、和歌山市の大阪府境からすさみ町のすさみ南ICまでは開通済み。すさみ南ICから今回開通する新宮北ICまでは、間に那智勝浦町の市屋ランプ-新宮市の新宮南IC間(15・2キロ)が開通しているが、つながっていない。
未開通区間のうち、「すさみ串本道路」(すさみ南IC―串本町サンゴ台)は当初の来春開通予定が遅れる見通し。「串本太地道路」(串本町サンゴ台―市屋ランプ)と「新宮道路」(新宮南IC-新宮北IC)の開通時期は見通せていない。