新聞を活用した教育について考える「第80回大阪NIEセミナー」(大阪NIE推進協議会など主催)が11月30日、大阪市浪速区湊町の産経新聞大阪本社で開かれ、本紙報道本部の黒川信雄記者が「ウクライナ侵略1000日、キーウ、モスクワ、ワルシャワからの視点」と題して講演した。
ロシアがウクライナに侵攻してから1000日が経過するなか、黒川記者は「戦争は重大局面に入っている。ただ、一時的に停戦などが行われても本当の終戦には至らないだろう。ロシアはウクライナを制圧するという考えを捨てないのではないか」と指摘した。
黒川記者は2014年から18年にモスクワ支局勤務を経験。ウクライナ侵攻後もロシア、ウクライナ、ポーランドなどで取材を続けている。侵攻が長引くなか、ウクライナ市民も疲弊。開戦当初に比べると厭戦(えんせん)ムードが漂っているという。戦地の状況については「一見すると、市民は平穏に暮らしているが、あちらこちらに破壊の跡もあって徐々にむしばまれている」と話していた。