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ペットにも土用丑の日を!! 茨城・つくばの専門店がうなぎの頭でドックフードなど開発

産経ニュース 2024年7月22日 12時41分

茨城県つくば市竹園のうなぎ専門店「とよ長」が、普段は捨ててしまうウナギの頭で犬や猫のペットフードを作り、全国から注文が殺到している。ペットに栄養満点のウナギを与えることができると共に、関東では食べる文化のないウナギの頭を使うことで食品ロス削減にもつながると注目されている。24日は土用の丑の日。人間だけでなくペットにもウナギはいかが?

栄養価高く完全無添加

同店代表の豊嶋英之さん(48)は「関西など西日本ではウナギの頭を食べたり、付けたまま身を焼いたりする地域があるが、関東ではほとんどが切り落として捨てている。うちも以前はそうだった」と話す。

「ウナギの頭を使って何か作れないか」と考えていたとき、約2年前から始めた犬や猫の保護活動のことが頭をよぎった。豊嶋さんは犬の管理栄養士の資格も持っている。「ウナギの頭を使ったら、栄養価も高いし、食品ロスも減らせて一石二鳥」と、まず家で飼い始めた犬や猫に与えることを思いついた。

豊島さんは、かすみがうら市の霞ケ浦湖岸でウナギなどのつくだ煮を作っていた「豊嶋商店」の3代目に当たる。それだけにウナギの加工はお手の物だ。

専門機関の分析によるとウナギの頭はビタミン類やカルシウム、マグネシウム、リンなどのバランスがよいことが分かった。

さらに、市販のペットフードには添加物を使っているものもあり、大切な〝家族〟の一員に完全無添加で安心なものを食べさせたいという思いもあった。

人もペットも幸せに

約半年は試行錯誤の連続で、ウナギの硬い骨の処理には苦労したが、蒸して柔らかくし、解決した。

そうして完成した犬用の「UNA DOG」は、ビーフジャーキー風なのが特徴。高温でじっくりと蒸した後、乾燥させ、小骨が心配な小型犬や高齢犬も含めた全犬種を対象とする。

さらにウナギの頭を生のまま乾燥させた「うなぎのまんま」は蒸さない分、栄養価が高く中型犬や大型犬に最適という。ウナギの頭をかつお節であえ、水分補給もできるようウエットタイプに仕上げた猫用の「Una Neko」も限定的に販売している。

価格は「UNA DOG」が70グラムで1273円(税別)。「うなぎのまんま」が300グラムで3500円(同)など。同店のホームページから注文できる。

商品の一部は動物愛護団体に寄付しているという豊嶋さん。「ペットを飼い始めてしつけをするときのおやつにしてほしい。捨てられている犬や猫を減らして、人間もペットも幸せに過ごしてほしい」と願いは広がる。(篠崎理)

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