たまに帰省する実家にモノが多いと思ったことはないだろうか。この後、子供である自分が片づけるのか…。実家の片づけについて専門家に聞いた。
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Q 実家は両親しか住んでいないのにモノがあふれています。捨ててほしいけど、親の死を前提として話すみたいだし、怒るかもと思うと話しづらいです
A 「どう言えば波風を立てずに片づけてくれますか」とよく聞かれますが、魔法の言葉はありません。今は終活について、テレビや新聞で頻繁に報じられています。そのようなニュースを契機に、「うちはどうなの」と話をするのは一つの方法です
Q 片づけをするには自分はまだ若いと思っているみたいです
A 「40歳を過ぎると人は実際の8がけの年齢だと思っている人が多い」という論文があり、高齢者は自分は若いと思いがちです。老いを感じるころには体力がついていかず、片づけられなくなります
Q 親は実家の片づけで苦労していないのかな…
A 親の親の世代はそこまで長生きではないし、きょうだいも多かったので、親世代は子供世代ほどは苦労していないと思います。それに「捨てたらバチが当たる」世代ですので、ついため込んでしまうのです
Q どうしたらいいのか
A 実家の片づけを考えるということは子供世代も50代、60代でしょう。「うちは終活で片づけを始めたよ。余分な布団を捨てたし、使わないクレジットカードを解約した」など、子供自身が片づけ始め、親に話を向けるのは効果があると思います
Q 確かに子供世帯も片づけは必要です
A 防災上も片づけは必要です。部屋や廊下にモノがあふれていると、夜間のトイレや、災害時に逃げるときに危ない。食器がぎっしり詰まった食器棚は倒れたら命にかかわります。夏の帰省時にでも、「災害時に危ないから、片づけてみようか」と誘ってみてはいかがでしょう
(回答者 実家片づけアドバイザー 渡部亜矢)