JR東日本は22日、新幹線線路の点検を行う最新型車両を東京都北区の車両基地で初めて報道公開した。走行中に収集したデータを分析する仕組みを来月から国内で初めて実用化。人力の作業を減らし、効率化、高精度化する狙いがある。
公開したのは、部品を点検、検査する車両「スマートレッド」1台と、超音波でレール内の亀裂や傷を探知する車両「スマートグリーン」1台。
スマートレッドはレールや枕木を撮影するカメラや線路全体の状況を把握するレーザースキャナー、分岐器のゆがみを検知する装置を積み、時速最大70キロで走行しながらデータを集められる。
従来は営業終了後、十数人がかりで分担して計約100キロを徒歩移動しながら、レールを固定する部品を叩いて緩みがないか確認するなどしていた。乗員3人のスマートレッドにより、人力での点検回数を半分に減らし、部品検査の回数を最大12倍に増やせる。
レール専門のスマートグリーンは昨年6月から既に稼動しており、最高速度を以前の時速40キロから70キロへ高速化。スマートレッドと連結できる。
同社は来年度末までにスマートレッド4台、スマートグリーン1台態勢を整える。導入費用は50億円。同社新幹線設備部の手代木卓也マネジャーは「高精度な分析で修繕作業を最適化でき、費用削減にもつながる」と期待を寄せた。