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「交通管制センター」誕生 渋滞対策や情報収集を自動化 警視庁150年 62/150

産経ニュース 2024年8月10日 7時0分

昭和49年、警視庁の総合庁舎内に「交通管制センター」が完成した。前身である「交通情報センター」は事故が急増し「交通戦争」ともいわれた30年代に誕生。事故や渋滞情報の収集、提供に活躍したが、交通量の増大などに追い付けなくなり、規模や設備を刷新して機能を自動化し、名称も改めた。

センター内には、都内の一般道や高速道路の交通状況を表示する壁一面のパネルや、東京タワーなど主要地点に設置したカメラ映像の受信機、無線台、ラジオ放送室などを設置。映像や道路の車両感知器などから、刻々と変化する交通量をつかみ、信号機の調整やドライバーへの情報提供を行った。

「センター職員は、パネル板に点滅するランプ表示にじっと見入り、ヘリコプター、パトカーとの連絡、テレビの作動、電話による応答など、目と耳をフルに回転させての活動ぶりである」(『高速道路と自動車』49年11月号)。

同誌によると、この年上半期の渋滞時間は前年同期から14%減少する効果も表れた。一方で、「機械の微妙な変化に神経をとがらせなければならない集中力は、職員にかなりの疲労をもたらすため、29名の職員では、すでに手に余る状態」であったという。

センターはその後もシステムの自動化や改修を行い、平成7年には現在の新橋庁舎内に移転。大規模災害時の交通規制の中枢を担うほか、信号機の秒数調整へのAI活用なども進め、交通環境の向上に貢献している。(橋本愛)

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