千葉市は20日、「観光振興検討会議」を発足させ、市内で初会合を開いた。今後、定期的に会議を開き、県が導入を目指す宿泊税の活用方法や、市が独自に導入する際の宿泊事業者への影響などについて議論を深める。
県の宿泊税を巡る議論の活発化などを受けた検討会議で、大学教授や市観光協会、宿泊事業者ら6人で構成。座長には、淑徳大の朝倉はるみ教授が選ばれた。
初会合には神谷俊一市長も出席し、「宿泊税は観光振興を持続可能なものにするための手法の一つ。千葉市の魅力を一層引き出して、観光地として選んでいただくためにも、宿泊税に対する考え方や活用方法について皆さんと議論を深めたい」とあいさつした。
この日は、観光振興に向けた市が抱える課題を共有するとともに、県が7月に公表した宿泊税の制度設計案の内容について意見を交わした。
委員からは「県と市がともに宿泊税を課す場合、宿泊事業者にとって分かりやすいような仕組みを考える必要がある」、「宿泊税を徴収するのであれば、宿泊事業者に広く恩恵が行き渡るかが大事。使途の見える化は絶対条件だ」といった意見が出た。
県の制度設計案では、宿泊客に一律150円を課し、各市町村が独自に宿泊税を設定する場合には上乗せする「千葉モデル」が示された。独自導入を目指す南房総、浦安両市からは懸念の声が上がっている。
千葉市の自民党市議団も、12月定例市議会で県に対し慎重な検討を求める意見書を提出する方針だ。
(松崎翼)