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安倍元首相銃撃2年 香取神宮に直筆の石碑 「大和心」に込めた元首相の思い、今に…

産経ニュース 2024年7月8日 18時58分

奈良市で安倍晋三元首相が銃撃され、死亡した事件は8日、発生から2年を迎えた。千葉県香取市の香取神宮の社殿裏に、安倍元首相が直筆で「大和心」と書いた石碑があるのをご存じだろうか。石碑に安倍元首相が込めた思いとは-。

香取神宮の広報担当、曽川昌大権禰宜によると、同神宮では12年おきに式年大祭がある。前回は平成26年だった。その準備のため、安倍元首相が奉賛会の会長になった。石碑は大祭が成功裏に終わったことを記念し、作られたという。

「大和心」は明治天皇の御製「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」から引用された。

安倍元首相は平成31年1月28日、平成最後の施政方針演説でも、この「大和心」について触れている。

演説ではまず、東日本大震災(同23年)の被災地が一歩一歩着実に復興する姿を紹介し、平成の時代が「日本人の底力と人々の絆がどれほどまでにパワーを持つかを示した時代だった」と振り返った。

その後、「しきしまの~」とある、先の明治天皇の御製を紹介したうえで、「明治、大正、昭和、平成と日本人が幾度となく大きな困難に直面しながらも、大きな底力を発揮し、人々が助け合い、力を合わせて乗り越えた」と強調する。

演説はさらに続く。

「急速に進む少子高齢化、激動する国際情勢。今を生きる私たちもまた、立ち向かわなければならない。私たちの子や孫の世代に輝かしい日本を引き渡すため、共に力を合わせなければなりません。平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を皆さん、共に切り拓いていこうではありませんか」

議場は万雷の拍手に包まれた。

石碑にある「大和心」には「日ごろは目に見えずとも、さまざまな困難に直面したときに必ず立ち現れるという思いが込められている。安倍元首相は常に、大和心を持った日本人の奮起を促そうとしてきた」と国会関係者は指摘する。

香取神宮関係者も「安倍元首相は、日本人が古来、持ちあわせてきた大和心に今一度、立ち返ることの大切さを伝えようとしたのではないか」と語る。

石碑には花を手にしたり、何度も訪れ、手を合わせる参拝客もいるという。(村上智博)

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