奈良県立民俗博物館(大和郡山市)がスペース不足に伴う収蔵品整理のため昨年7月から休館していることを受けて設置された「民俗資料収集・保存方針等検討委員会」の委員らが29日、同館などを視察した。
県立民俗博物館の収蔵品は国重要民俗文化財「吉野林業と林産加工用具」を含む生活、農林業用具など約4万5千点に上り、同館では収蔵しきれないため、旧郡山土木事務所などでも保管する状況となっている。
この日、委員長を務める日高真吾・国立民族学博物館教授ら5人は旧郡山土木事務所と民俗博物館を視察。保管状況を確認し、課題を探った。
視察後、日高委員長は「奈良県内からこれだけ重厚で貴重なものが集められたのはすごいと思った。整理できていないものも多いので、どのように情報を再発見するかが課題」と話した。
県は令和7年度中に収集・保存方針を策定する予定で、その後は資料の整理やデジタル保存などを進め、9年度中の開館を目指すとしている。