本格的な冬の訪れを前に宮内庁京都事務所は2日、桂離宮(京都市西京区)でソテツの木を守るためにコモを巻く作業を行い、報道陣に初公開した。ワラで編んだコモで幹全体を包み、その上からワラで装飾を施す独特の手法。色づく紅葉を背景にワラが巻かれ、ソテツは〝冬服〟に着替えていった。
桂離宮には薩摩藩の島津家が献上したと伝わる28本のソテツが植えられており、毎年この時期にコモを巻く作業が行われている。防寒だけでなく、冬の美しい景観を作る狙いもある。
この日は4人の庭師がコモの上から束になったワラを巻き、段々飾りのように仕上げていった。作業は6日には完成し、衣替えしたソテツがお目見えする。
宮内庁京都事務所の亀井郁典(ゆうすけ)主査(40)は「コモで巻かれたソテツは今しか見ることのできない冬の景色。是非注目してほしい」と話していた。コモは暖かくなる3月初旬ごろに取り外されるという。
参観は1日480人限定、18歳以上千円。事前予約制だが当日予約の枠もある。(田中幸美)