19日で2期目の任期を終える大阪府四條畷市の東修平市長(36)は17日、最後の登庁日を迎え、市役所で退任式にのぞんだ。初当選時は28歳で全国最年少の市長として注目を集め、市長後継候補の公募や国内選挙で8年ぶりの電子投票を行うなど、人口5万人余りのまちから全国的な話題もつくった。
東氏は市職員、市議や市民らに「8年間誇れることがあるとしたら、市のために誰よりも考え働きぬいた」とあいさつした。
同市出身の東氏は京都大を卒業後、外務省やシンクタンク職員を経て、平成29年1月に市長就任。29年度、市の借金を示す市債残高は155億円(一般会計決算)あったが、令和5年度は122億円まで減らした。一方、市の貯金にあたる基金残高は43億円から70億円に増加。8年間の実績を「財政健全化や人口の社会的増加は数字に表れた」などと強調した。
「長い権力は腐敗する」との持論から市長を2期8年で退く決断をしたとする。一方、後継候補に関し、全国初の民間人材サービスを使った公募に踏み切り注目を浴びたものの「市にゆかりのない人物が選ばれる可能性もある」などと賛否の声があがった。
東氏は「過去にも副市長や職員らを公募し、新しい風を取り入れてきた。その流れの延長線上」と説明。新しい風による「日本一前向きな市役所」を掲げる中、市職員らの提案で電子投票の実施が決まるなど「職員らが挑戦する姿勢がうれしかった」とした。
次期市長には、公募で後継に選ばれ市長選で初当選した元市職員の銭谷翔氏(36)が就く。自身の今後については「一市民として、これまで培った知見を少しでも生かせれば」と述べた。