JR湖西線の開通50周年を記念し、大津市歴史博物館で湖西線の歴史や沿線住民の思い出などを紹介する企画展「わたしの湖西線」が開かれている。担当者は「開通時の盛り上がりや、湖西線の現状についても知ってもらえれば」と来場を呼び掛けている。9月1日まで。
湖西線は昭和49年7月20日に開通。山科(京都市山科区)―近江塩津(滋賀県長浜市)間の74・1キロを結び、湖西地方の生活の足として利用されている。
企画展では、湖西線の建設に伴い昭和44年に廃線となった江若(こうじゃく)鉄道の株券や1号機関車の鐘などを展示。湖西線の開通日には西大津(現大津京)、近江塩津、近江今津の各駅で式典が開かれており、開通を記念して制作されたパンフレットや切手、手ぬぐいなども並べられている。
また、京都駅や山科駅(いずれも京都市)で乗り間違いが多いため、湖西線の表記が目立つように赤と白でデザインされた方向幕や、昭和50年代の沿線の写真なども展示されており、昔を知る人にとってはなつかしさを感じることができる。
また、「車窓からの風景に励まされながら元気に勤務を続けることができた」「当時は車内保温のためドアを手で開ける必要があった」などといった沿線住民のエピソードも掲示されている。
木津勝副館長は「湖西線ができた意味を改めて知り、50年で街がどう変わっていったかを感じる機会になれば」と話している。